令和2年12月宇和島市議会定例会が開催され、市民の関心が高い重要な議題が取り上げられた。
特に、介護認定者の障害者控除認定証発行制度についての意見が注目されている。現在、認定を受けている人数は限られ、約150件の証明が行われており、要介護者の総数から見ると、実に3%以下の実施率にとどまる。
市民からは、しかるべき制度の周知が行き届いていないのではないかとの声が多く、福祉部長の伊手博志氏もその必要性を認識していると述べた。「市の広報紙を利用し、広範囲にわたる周知が重要である」との考えを示した。
また、津島やすらぎの里温泉施設における改築計画も語られた。かつては多くの市民に愛される存在だった同施設だが、地盤沈下や老朽化の影響により、現在は長期の休止に入っている。その再開時期については改築基本計画が来年8月を目指しているとされ、早急なスピード感が求められている。
さらに、真珠養殖業者の支援についても議論された。今年秋にはコロナの影響で入札会が中止となった。市長の岡原文彰氏は、「真珠業界が存続できるよう、資金繰りに関しても国の支援を重視している。生産者が安心して経営できるような体制を整えたい」とし、行政のバックアップ策を強調した。
議員からは「コロナ禍の影響を受けた事業者が多く、国や県とも連携し、特に真珠養殖業者への具体的な支援策が必要だ」との意見が上がった。
これに対して、市の水産課長は、「新たな天然貝の探索や、優良アコヤ貝の系統確立に向けた取り組みを進めている」と述べ、今後の見通しや効果を期待させる発言があった。
最後に、国民健康保険についても触れられ、滞納者数や短期証の発行状況が報告された。679名の短期証発行があり、保険加入者の周知と被保険者の生活を助けるための取り組みが重要であると強調された。これにより、住民の医療を受ける権利の保障が再確認された。
市長は、市民の健康維持と福祉向上のために、今後も必要な対策を講じていく旨を表明した。この定例会を通じて、議案や報告に対する質疑が行われ、市民の福祉や健康を守るための重要性が改めて認識される場となった。