宇和島市議会の令和元年９月定例会では、重要なアジェンダが取り上げられた。中でも大きな焦点となったのは、昨年の豪雨災害からの復旧問題で、この対応により市民の安全と安心をどう確保するかが議論された。
特に、災害復旧工事に関連する河川工事や水道管の復旧状況が懸念されている。建設部長の藤堂勝男君は、吉田地域と三間地域における水道管復旧工事が順調に進んでおり、９０％の発注率を達成したと報告した。吉田地区の工事は令和２年３月中旬の完了を目指し、着実に工事が進んでいる。また、三間地区も９月中旬から工事を開始する見込みだ。
その中で、アコヤガイの大量死という問題も浮かび上がる。先日まで進められてきた調査でも、特に稚貝が７割から８割のへい死を記録し、県の水産研究センターが調査を行っているが、原因は未だ不明である。このままでは、次年度の挿核作業に大きな影響が出る可能性がある。
議会ではまた、後期高齢者医療制度のあり方についても重要視されており、市民からの負担の不平等、特に年金からの天引きによる影響が広がっていることが懸念されている。市長は、広域連合議会での議論を基に、医療制度の公平性を重視しながら対応していく意向を示した。
さらに、宇和島市が抱える預貯金問題や市有財産の滞納状況についても取り上げられた。改良住宅の滞納状況は依然として問題を内包しており、今後の政策にも影響を及ぼすとみられ、市の内外からの検討が求められている。特に、母子と子どもたちの医療費助成は、より包括的で実効性のある施策が必要であり、江原市長にはその方向性を進めるよう強く要望したい。
現在、宇和島市では、地域の安全を守るための諸制度や農業に関する施策も展開されている。災害時に持ちこたえるために必要な情報の周知徹底が求められている。また、教育関係者も巻き込んだ新しい取り組みが進む中、議会と市長が共に歩む姿勢が求められる。これらの議論から、今後の宇和島市における市民生活の確保がどのように図られていくのか、引き続き注視していく必要がある。