令和5年6月、宇和島市議会定例会が開催され、議事日程に従い各議案が審議された。
本会議では、議案第65号「新伊達博物館建設につき、再度の考案を行う事」など、重要な項目が議題に上がった。特に、住民投票条例の制定に関して多くの意見が交わされ、議員間での活発な討論が行われた。市民からの声を反映させる必要性が再確認され、市民サービスに影響を与える財政負担についても議論される場面が見られた。
総務環境委員長の三曳重郎氏によると、「議案第61号・令和5年度宇和島市一般会計補正予算（第3号）」では、津波避難路の整備に関連する事業が扱われ、地域ごとの避難路の可否について意見が交わされた。特に、委員からは新たに指定される避難路への配慮が求められた。
また、厚生委員会では「議案第60号・宇和島市病院等事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例」が取り上げられ、病床数の削減や診療科目の追加が説明された。委員たちは制度運営における新たな支援や、少子化対策についても言及し、地域社会における重要な施策を議論した。報告によれば、同議案は全会一致で可決された。
一方、「議案第65号」では、住民からの大量署名を基に市民の意見を問う住民投票の必要性が強調された。具体的には、浅野修一氏が市民の賛否を問う重要性を訴え、「過去数回の議案では具体的な財政負担が示されなかった」と指摘した。これに対し、槇野洋子氏も市民への説明不足を懸念し、住民投票によって市民の声を反映させるべきだとの意見を表明した。
最終的に、「議案第65号」は賛成少数で否決となった。市長の岡原文彰氏は、開会の際に失われた市民の信頼を取り戻すためには丁寧な説明と市民の意見を尊重する姿勢が必要とする旨を伝えた。各議案の審議を通じて、市政運営における透明性の確保が強調され、今後も市民の声に耳を傾ける姿勢が求められる結果となった。