館山市が実施した令和2年度一般会計の歳入歳出決算に関する質疑が行われ、特にふるさと納税や公共交通支援事業に注目が集まった。
令和2年度のふるさと納税の推進について市長の金丸謙一氏は、利便性向上を目指し、返礼品の配送業務などをICT化し、業務効率化を進めたと述べた。特に、南房総地域の魅力を発信するため、動画コンテンツを制作し、公式サイトやSNSで広報活動を行った。特に企業版ふるさと納税についても、地域再生計画に基づいて寄附を受けることで、人材育成や新規事業に被活用されることが期待されている。
一方、公共交通事業者支援事業では、公共交通チケットを428名に配布し、そのうちタクシー券が307万5,000円、路線バス回数券が120万5,000円を使用するなど、利用状況の確認が行われた。対象者からは、生活に密接に関わる公共交通の支援が有効であるとの意見が寄せられる一方、新型コロナウイルスの影響で行き先が限られた状況も考慮する必要がある。
また、安全・安心メール登録者数が前年から332人増加し、1万4,729人に達したことも報告された。市では、町内会や自主防災会を通じて、登録を促進する方針も示され、特に若年層への広報が求められている。
環境等監視業務では、不法投棄対策として地域のボランティアや住民と連携し、処理困難な物品に対しては市として適切に対処し、資源の適正管理を図る。これに関連し、し尿収集運搬事業の将来予測についても、人口減少が影響するものの、衛生的な生活環境を維持するための重要な業務であると強調された。
農業経営支援事業や畜産振興事業については、同市独自の取り組みを強化することが求められた。特に、イチゴのフリーズドライ加工事業を推進しているが、今後の流通や販売戦略についても十分に対策を講じる必要があるとの見解が示された。さらに、強い農業・担い手づくり総合支援交付金を活用し、令和4年の完成を目指して取り組むことが説明されるなど、長期的な視点での地域振興が重要であるとの認識が強まった。
最後に、ハザードマップの整備状況についても話し合われ、地域への具体的な警告の重要性が強調された。特に日常の管理情報を住民に届けることが意識され、適切な行動を浸透させることが求められている。市では今後も地域密着型の施策を充実させ、住民参加を促進していく方針を示した。