令和5年6月15日に開催された館山市定例会では、さまざまな重要な課題が議論された。特に、新庁舎建設や平砂浦海岸の活用、廃校の利用、リノベーションまちづくり事業などのテーマが、多くの発言を呼び起こした。
新庁舎の建設については、森市長が財政状況の難しさを強調しつつ今後の検討を進める意向を示した。既存の庁舎が老朽化していることから、令和14年度を移転の目安とする方針が確認された。ただし、事業費の算出は行われていないため、実現には相当な時間を要する見込みである。
また、平砂浦海岸の観光資源としての価値は、館山市の重要な部分であり、観光施設としての整備が急務であることが示された。海岸沿いの豊かな自然環境を守りつつ、地域の活性化につなげる方策が求められている。
廃校の賢明な活用方法については、旧富崎小学校で国産キクラゲを育てるビタミンファーム株式会社が優先交渉権者に選ばれ、地域での雇用創出も期待されている。この事業が進むことにより、地域経済の活性化が図られることが期待されるが、他の事業者との連携も重要なポイントとなる。
リノベーションまちづくり事業では、公共施設の空き家や空き店舗の有効活用が目指され、講演会や起業支援の取組が行われている。これにより、地域経済の活性化が図られつつあるが、今後の継続した努力が求められる。
最後に、高齢者の移動支援に関しても、地域の公共交通が厳しい状況にある中で、南房総市のボランティア移送サービスに倣った支援策の導入が期待される。高齢者が医療機関にアクセスできないという課題が解決されることが望まれており、地域包括ケアシステムの整備が急務との指摘もなされた。
これらの議論を通じて、「人を中心としたまちづくり」が改めて重要であると認識される会議の一日であった。今後も市民の声をじっくりと聴きながら、各施策の進展が期待される。