令和2年3月24日、館山市議会は一般会計予算案の審議を行い、可決となった。今回の予算案は、前年と比べ約198億9,800万円と、前年比2.7%の増加が見込まれ、地域復旧事業や各種政策が優先される形で組まれた。しかし、一部議員からは反対意見も相次ぎ、厳しい財政状況を理由に無駄な経費の削減や行財政改革を進めるべきとの声が上がる。
特に、室 厚美議員は、自身の発言で、「館山市の一番の課題は厳しい財政状況を克服して持続可能な市政運営を行うことである」と強調し、多くの観点から現行予算の問題点を指摘した。台風15号の影響が色濃く残る中、既存事業をそのまま続行する傾向にある予算編成に疑問を投げかけ、事業仕分けや経費削減を提案した。この発言に対し、賛成意見も存在したが、望月 昇議員は、復興と事業継続両方を考慮した予算案であるとの意見を述べ、見解が分かれる場面も見られた。
さらに、鈴木 順子議員は、観光振興基金を用いた鈴木朋樹選手の支援を提案したが、市長は財源的な制約を理由に難しいとの考えを示した。市長は、「鈴木選手の内定は館山市の誇り」としながらも、予算に見合った支援を行う重要性を訴えた。新年度の施政方針として、「スポーツ健康都市館山」を目指すとし、今後の事業展開にも期待がかかる。
万全な体制を求める意見が出る中、議会は予算を可決し、復興と復旧に向けた具体的な施策を進めていくこととなった。これによって館山市は前年に続き、地域支援及び経済活性化に向けた取り組みを進めることになる。議会は市政運営の透明性と効果的な資源配分について引き続き監視していく必要がある。