令和3年10月7日に行われた市原市議会定例会では、令和2年度決算に関する諸議案が審議された。
議会では、歳入歳出決算額が前年よりも増加している状況が報告された。具体的には、一般会計の歳入が1,318億3,100万円、歳出は1,255億4,800万円となり、前年に比べて歳入は26.2%、歳出は28.4%の増加であった。これは、新型コロナウイルス感染症対策としての国庫支出金増加や特別定額給付金の支出が影響しているとされた。また、伊佐和子決算審査特別委員会委員長は、この状況を踏まえて、今後の財政運営や予算編成に対する要望を述べた。
伊佐委員長は、「市税は減少したが、国の支援による歳入増が一因」と説明し、リーズナブルな経費の構造を確保するために、引き続き積極的な歳入の確保と事務事業の効率化が求められると指摘した。特に、経常収支比率は91.5%と前年度から1.3ポイント悪化しており、財政の不安定性を懸念する意見が出された。
また、駒形八寿子議員は、新型コロナウイルス感染症対策に関する反対討論を行い、検査体制の充実を求める声が上がった。彼女は「ワクチン接種とともにPCR検査が必要」と訴え、市民からの多くの不安が寄せられていると警鐘を鳴らした。特に、自宅療養中の人々への支援体制の強化が喫緊の課題とされる。
加えて、地域公共交通網の形成や防災力の強化、保育士の確保について議論があった。西松茂治議員は、地域産業の持続的成長について注目し、府や国との連携を強調した。彼は「中小企業への支援策を強化し、安定した経済基盤を築くことが重要」と述べた。さらに、これからの財政運営の方向性も示唆され、各議員から多様な視点の要望が寄せられている。
最終的には、全ての議案が賛成多数で認定された。今後の市原市の財政運営においては、こうした要望をしっかりと反映させる必要があるとの考えが示されている。