令和2年3月18日、萩市議会は第5回定例会を開催し、予算議案や議員提出の特別委員会設置に関する議案を商討した。今回は、特に「中核病院形成及び統合検討」に関する特別委員会の設置が注目を集めている。これに伴い、委員たちはそれぞれの立場から意見を述べ合う場面が見られた。
まず、議案第4号として提出された萩市一般会計予算については、総額293億8000万円が計上され、前年比で0.4%の増加が示された。この予算案には、子育て支援や移住対策の強化、公共交通網の整備といった施策が盛り込まれていることが強調された。一方、教育民生委員長としての西中忍氏は、現行の教育民生委員会の活動との重複を懸念し、特別委員会の設置には慎重な姿勢を見せた。
次に、特別委員会における議論では、教育民生委員会が萩市民病院の経営改善に向けた調査を既に行っていることに触れ、特別委員会設置の必要性に疑問を呈する意見も出た。反対意見としては、委員の多くが教育民生委員会に参加し、疎外感を感じることで市民にどのように情報を伝えるかが問題視された。議員の間で、こうした問題に対して協議し、市民の意見を反映させるのが議会の役割であるとの主張もあり、一定の賛同を得たようだ。
また、特別委員会設置に伴う財政的な懸念も取り上げられたが、提案者の小林富氏は「必要性を感じた市民の声を受けて特別委員会を設置する意義がある」と強調した。これに対して、教育民生委員会の委員は「既に同様の調査を行っているため、特別委員会設置の必要はない」との意見を表明し、真っ向から対立した。
さらに、特別委員会設置の粘り強い議論が続く中、議案第39号から第42号までの様々な議案についても討議が行われ、いずれも原案通り可決されることとなった。
最終的に、特別委員会設置に関する議案は賛成者が少数で、否決された。今後、萩市議会は地域医療の充実に向けて、議会全体での意見交換や、現状の教育民生委員会による調査を進めていく姿勢を示している。特別委員会の設置に反対した委員らは、既存の枠組みを生かした議論の必要性を再確認し、市民に密着した活動を続ける考えを示した。