令和3年6月10日の萩市議会定例会が開催され、市長の田中文夫氏が新たな施策や予算についての方針を示した。
議題には、一日市長室の開設や地域事業懇話会運営についての新たな試みが含まれ、市民の声を聞く重要性が強調された。市長は「市民の意見を最前面に考え、市政に反映させていきたい」と発言し、その実現に向けた姿勢を示している。
一方で、議員からは「この懇話会に優先順位の決定権があるのか」といった質問が寄せられ、具体的な権限の所在についての議論が展開された。市長は「懇話会が出した意見を尊重しつつ、最終的な決定は市として行う」との見解を示した。
続く議題として、旧明倫小学校3・4号棟整備事業に関する市民の意見についても質疑が行われた。議員が「市の一存で決めることに根拠が薄いのではないか」と懸念を示し、市長は「これは市民の要望を受け、一定の整備は行うが、将来に向けた活用策も探る」と応える形となった。市民から寄せられた意見を踏まえた施策であることを強調したが、具体的なフィードバックに懸念を持つ声もあった。
中核病院については、「ゼロベースでの見直し」についての質疑もあったが、市長は「医療機関の再編についての具体的要素は重要だが、最終的には市民の声や実態を踏まえて進めていきたい」と強調。以前からの統合作業とは異なる新たな視点で進める考えを示した。
さらに、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進事業について、マイナンバーカードの普及率が37.27%であると報告され、県や国と連携した取り組みが期待される。
この日の議会では、地域事業の重要性が再確認されるとともに、市民参加を促進する新たな取り組みが今後の議論の中心となることが示唆された。