令和4年3月、萩市議会の定例会が開催され、田中文夫市長が施政方針を発表した。
市長は就任1年を迎え、「5つの良し」を掲げたまちづくりを進めていると述べた。特に、人口減少や少子高齢化の進行、新型コロナウイルスの影響など、多くの課題に取り組む姿勢を強調。さらに市民と共に問題解決に挑む「和顔愛語」の精神を大切にするとした。
施政方針の中で、まず「誰もが生きいきと暮らせるまちづくり」を挙げ、医療体制の整備の必要性を訴えた。萩市民病院と都志見病院の統合による中核病院の形成に向けた検討を進め、医療従事者不足の解消に全力を傾ける考えだ。新たな看護師確保対策として、資格を持つ者の再就業を支援する方針も示した。
次に「子育ての幸せが実感できるまちづくり」では、出生数の減少に対処するため、誕生祝金制度を新設。第2子以降の出生時には追加支援を行い、給食費の無償化などで、経済的な負担軽減を進めるとも述べた。子育て世代が萩市に根付く環境を整えることが、この政策の狙いである。
「未来を担うひとを育むまちづくり」としては、教育制度の充実を目指し、IT人材育成や奨学金支援を行うと述べた。産学官連携による協議会の設立も進め、持続可能な地域社会の実現を目指している。
最後に、市長は「魅力ある歴史文化、自然をいかしたまちづくり」に言及し、観光振興のために、地域ブランドの向上を目指す施策についても触れた。特に「萩にゃん。」クーポン事業では、観光客誘致を図り、地域経済の活性化に寄与することが期待されている。
議案については、数多くの補正予算案や条例改正案が審議された。田中市長は、国の補助金を有効に活用し、事業推進に努める姿勢を示した。議会の意義も強調され、議員と市民が協力しあうことの大切さが伝えられた。萩市議会は、本年度も市民生活の向上を目指す方針で一致した。