令和3年9月29日、萩市議会定例会が開かれ、重要な議案が審議された。
今回は特に、萩市一般会計補正予算第6号に関連する議案第58号が注目を集めた。この議案は、市民1人当たり1万円の市内共通商品券を支給する内容で、約4億6395万円の予算を計上している。だが、議会ではこの支給方法について賛否が交錯した。
賛成派は、コロナ禍において市民生活を支えるための「見舞金」としての意義を強調。一方、反対派からは、具体的な支給基準や見舞いの根拠が不明であり、不公平性や経済的影響について懸念が示された。市内の事業者のうち、実際に商品券を受け取れるのは現在218店舗のみとされ、幅広い事業者への配慮が不足しているとの指摘もあった。
予算決算委員長の佐々木公惠氏による報告もあった。この報告では、「歳入と歳出のそれぞれが増加しているものの、萩市の財政基盤は安定している」と述べつつ、商品券事業の必要性について取り上げた。さらに、一般会計からの支出が利用できる店舗に限られる問題点を指摘し、使用可能な店舗数の拡大や市全体への経済的配分についても議論された。
質疑応答では、議員からの意見も分かれた。賛成する議員は、市民に実際的な経済効果がもたらされると考えており、景気回復につながると述べた。しかし、反対派は、「実施時期や対象範囲について事前に検討が不足している」と問題を提起。他の議員からは「見舞金としての支給は理由に乏しい」との声も上がる中、討論は続いた。
この議会では、修正案に対しても議論が行われ、最終的には議案第58号は原案通り可決された。市民への影響を重視した議論がなされる中、今後の財政運営や施策の方向性に影響を与える結果となったといえる。市は今後、この商品券がどのように市民に活かされるかに注目が集まる中、市民生活の支援策を一層強化していく意向を示している。