令和元年12月9日に開催された萩市議会定例会では、萩市立病院と都志見病院の経営統合及び公共交通の運行状況について議論が行われた。
まず、萩市民病院と都志見病院の経営統合の提案によれば、これは行政主導のもと、市が両病院の機能充実及び医療の効率化を目指している。藤道健二市長は、「医師や看護師の確保が難しくなる一方で、統合を進めれば医療の玉切れが起こる」と強調した。具体的には、急性期医療を担う中核病院が必要であるが、そのためには萩市の地域医療体制の再構築が急務であるとされる。
市民からは、中核病院化に伴い人員削減や医療技術の質の低下を懸念する声が上がっているが、市長はリストラは行わない意向を示し、逆に効率的な運営を目指すと述べた。依然として萩市民病院は赤字経営が続いており、財務状況への注意も促された。
また、公共交通についても言及され、特に少子高齢化の進む地域では路線バスの撤退が相次いでいる。これに対し、運転手不足が深刻な問題となっている。関伸久議員は、福栄地域の存続に向けた公共交通のあり方を提案し、木間地区で新たに導入される事前予約制の乗合タクシーに続いて、同様の柔軟な交通手段の構築が必要であると主張した。行政側は、地元住民や交通事業者との協議を進め、持続可能な公共交通を研究していく必要があるとした。
これら議論は、萩市における医療や交通の未来に関わる重大な問題である。市は今後もこれらの課題に真摯に向き合う必要があると見られている。