令和5年6月13日、高島市議会の定例会が開かれた。
この日の会議では、教育環境や地域経済、森林政策に関する一般質問が行われた。特に、山下巧議員が行った学校教育環境の整備についての質問は重要な論点となった。
山下議員は、新型コロナウイルス感染症の扱いが5類に移行した後、学校現場でのマスクの着用が個人の判断に任されるようになったことを指摘した。コロナ禍において教育活動が制限されていた中、子どもたちの笑顔が見られるようになった姿に期待を寄せた。
また、山下議員は学校図書館の整備状況について質問した。市内の小中学校図書館の蔵書数は、標準基準を上回っているものの、蔵書数の不足がある学校も存在するとのことだ。市教委の饗庭教育指導部長によると、現在の充足率は小学校で69.2%、中学校で33.3%とのことであり、さらなる充実が求められている。
次に、地域産業振興について、板持文子議員が質問を行った。彼女は、高島市の経済振興に向けて新たに設立された企業団体の意義について触れ、地域の産業を支える仕組みの重要性を訴えた。さらに、大津市の地域産業振興条例を参考にした高島市における施策の具体性にも言及し、行政の支援と地域の自助努力が相互に支え合う関係の構築が望まれると強調した。
板持議員はまた、企業誘致による地元事業者への影響や、その情報共有についても質問した。商工観光部長の藤森泰男氏は、地元企業に対して独自に支援を行っているが、企業誘致に関しては情報公開が難しい場合があると答えた。地域事業者との連携を深めることも、今後の課題として残されている。
最後に、森林政策に関する質問がなされた。板持議員は、森林作業道の維持管理現状について尋ね、市では崩落管理が行われていないと回答した。農林水産部長の長瀬正弘氏は、今後は森林所有者と連携し、森林の適正な管理を進めていきたいと述べた。
議会終盤には、森林境界の明確化や森林環境譲与税の使途についても議論され、環境保全や人材育成の重要性が再確認された。地域の森や林業の未来に対する意識が高まる中、これらの施策の進展が期待される。