令和6年3月、大津市で行われた高島市議会の定例会では、重要な議案が次々と提案された。市長の福井正明氏は、本定例会の開催を受けて、総額335億2000万円となる令和6年度の一般会計当初予算案を発表。これは前年度に比べ32億5000万円、率にして10.7%の増額であり、市制施行以来の最大規模となる見込みが示された。
特に焦点となったのが、新ごみ処理施設の建設事業であり、これが市政の最重要課題として位置づけられた。施設に必要な用地を取得するための議案が審議され、一部の土地については民民境界に関する協議が続いていることが明らかとなった。市長は「市の環境行政の将来に禍根を残すことにならないためにも、何とぞご理解の上、ご議決賜りますようお願い申し上げる」と述べ、市民へ理解を求めたことも印象的だった。
また、福井市長は、令和6年度予算案には新たに対象となる用地取得費が計上されていることを発表し、今津中学校の長寿命化改良工事に関連する契約の締結も議決が求められていた。今津中学校では、体育館の屋根や外壁、校舎内部の改修工事が行われ、教育環境の向上を図る。また、高島市の教育方針に照らして、社会的な問題に対する取り組みや、地域での見守り活動の支援も強調され、市民の配送員が直接子育て世代の家庭を訪問する支援策が発表された。
さらに、特別会計予算案や各種条例改正案も上程され、特に育英資金の貸付制度に関する拡充が注目された。このほかにも、観光振興や地域づくりを視野に入れた施策が多く提案されており、多彩な分野にわたる議論が展開された。議員たちはこれらの提案について、それぞれの立場から慎重な議論を進め、より良い高島市のための政策を形成していくことに向けて、つなげていく意思を持った様子が見受けられた。
最後に、万木豊議員に対する辞職勧告決議が全会一致で可決され、政治の透明性や信頼を回復するための動きが示された。市議会全体が周囲の期待に応えようとしている姿勢が強調された会議であったといえる。