令和4年6月9日、高島市議会は定例会を開催し、様々な議題が取り上げられた。特にヤングケアラー問題を巡る質問が重要な焦点となった。
中川あゆこ議員(至誠会)は、ヤングケアラーの実態調査について質問した。ヤングケアラーとは、家族の世話を担う18歳未満の子どもたちで、様々な責任を抱えている。この問題に対し、政府はヤングケアラーの認知度向上を目指す施策を取り入れている。加えて、彼女は高島市が実施しているヤングケアラーの実態調査や、その結果に基づく今後の対応について尋ねた。また、ヤングケアラーへの支援を充実させる必要性を強調した。
これに対し、清水子ども未来部長は、昨年の実態調査の結果を報告し、市内で12名のヤングケアラーが確認されていることを伝えた。彼女はまた、研修や相談窓口の設置といった対策を引き続き推進する意向を示した。
次に、藤田昭議員は、水道料金や下水道使用料の改定について質問した。市は行財政改革推進計画に基づき、令和5年度から水道料金と下水道使用料の値上げを計画している。市の見解を問うと、柳生都市整備部長は、適正な水道経営のための改定が必要であるとの見解を示した。また、安曇川駅周辺のまちづくり構想についても質問があり、挙げられたアイデアには、地元住民の声を反映させた形で検討を進める必要性が強調された。
この日に行われたもう一つの注目すべき議題は、カワウによる被害についてである。高木広和議員は、特定のエリアに大量に集まるカワウの営巣地が地域住民や企業に与える影響を心配し、駆除や繁殖抑制の対策強化を求めた。長瀬農林水産部長は、これまでの取り組みやドライアイスを用いる対策について説明し、カワウの行動についての実証を行っていることを強調した。今後も引き続き試行錯誤を繰り返し、効果的な対策を求める姿勢が示された。この件に関しては、住民との連携が重要であるとの認識も同時に強調されている。
全体的に、ヤングケアラー問題、公共料金の改定、カワウ問題の三つの議題が中心となり、高島市議会は多岐にわたる議論を展開した。市は、市民と共に課題解決に向けた具体的な施策を進めるため、更なる連携を強化していく必要があると見込まれます。