令和3年5月定例会が吹田市議会で開催された。新型コロナウイルス感染症の影響により、特に高齢者や障害者の生活環境が厳しくなる中、市としての支援策の強化が求められる場面が目立った。特に、塩見みゆき議員は市民生活の実情について質問し、新型コロナウイルスの影響による経済的困窮を訴えた。彼女は、生活困窮者自立支援センターへの相談が前年を上回ると指摘し、福祉部長の大山達也氏は、相談件数が77件で、住宅喪失の事例などが大半を占めていたことを報告した。大山福祉部長は、「長引く感染症拡大の影響で、市民の相談は切実な内容に変わっている」と述べ、支援策の重要性を強調した。
また、児童部長の北澤直子氏は、家庭内密状態によるDVや児童虐待の増加について言及し、2020年度の相談件数が857件に達したことを明らかにした。市としては、電話相談やSNSを通じた新たな支援方法を検討し、今後さらに注力していく意向が示された。これに対し、塩見議員は、「支援を必要とする家庭にきちんと支援が届くよう、制度の隙間を埋める努力をしてほしい」と訴えた。
ワクチン接種に関しても、混乱が続いている。塩見議員によれば、予約開始初日は電話がつながらない事態になり、多くの苦情が寄せられた。市は接種体制の見直しを進めるとともに、接種率の向上を目指していると強調した。西川教育長は、新型コロナによる不登校の問題や子供たちの教育環境の質を落とさぬよう、特別な配慮を行う考えを示した。教育関連の質問の中で、学校給食や学童保育の充実も求められた。その中で、教育部では今後の取組を明示し、家族支援や地域連携の重要性を訴えた。
このように、議員たちは市民の生活維持と支援強化に向けた具体的なアクションを要求し、行政側もそれに応じて今後の方針を示した。この定例会を通して、吹田市は、コロナ禍による影響を最小限に抑えるために、市民と協力して取り組む姿勢を確認した。特に市民生活への影響の深刻さが問題視され、支援策の多様化と充実が今後の課題として浮かび上がってきている。