令和5年9月1日、田原本町議会は第3回定例会を開会した。
町長の森章浩氏が招集挨拶を行い、異常気象や猛暑、災害への備えの重要性を訴えた。特に、先日の気象庁の分析会では、高温が異常であるとの見解が示されたことを述べた。
さらに、今回の定例会では重要案件として5件の報告事項と17議案の審議が行われる予定であり、特に健康保険証の廃止に関する意見書や、ブラッドパッチ療法に対する適正な評価についての意見書が注目を集めた。
陳情案件としては、「インボイス制度の実施延期を求める意見書の提出」があり、これは政府に対するものであり、総務文教委員会に付託された。これに関連し、吉田容工議員はマイナ保険証についての懸念を表明し、緊急性を訴えた。具体的には紙の健康保険証が無くなることで、多くの市民が困る可能性があるとの懸念が示された。
また、ブラッドパッチ療法に関する発議第11号では、古立憲昭議員が趣旨説明を行い、脳脊髄液漏出症の患者への適切な医療を求める内容だった。この発言に対し、吉田議員は専門的な内容に疑問を持ちつつ、理解を深めようと質疑を行い、最終的に賛成多数で可決された。
町の財政に関しては、令和4年度の健全化判断比率および資金不足比率の報告もあり、全体の財政状況は概ね健全であるとされた。実質公債費比率は11.6%であり、前年からの上昇が見られる一方、将来負担比率は37.9%に低下し、安定した財政基盤が確保されていることが確認された。
今回の議会では各種議案が一括上程され、補正予算の承認や旧地区の井堰改修工事の契約が議決されたことも重要なポイントである。議会は引き続き、町民のための施策を進めて行くとの方針が示され、この決定がどのように実行されるのか、今後の動向が注目される。