令和2年12月17日、御所市議会の定例会が開かれ、重要な議案が議論された。特に、御所市役所の位置を定める条例の一部改正が焦点となった。この改正により、御所市役所の位置が奈良県御所市大字東松本19番地の2に変更されることが提案された。
市長の東川裕氏は、「この庁舎の位置変更は御所市全体のまちづくりを見据えたものである。」と強調した。中心市街地に庁舎を設置することで、地域の活力を高め、持続可能な都市機能の強化を図る狙いがある。また、施設の核となることで、国や県などとの連携もスムーズになると述べた。
一方で、議会の中では多様な意見が交わされた。川田大介議員は、「市長が提案した位置決定が本当に市民の意見を反映しているのか疑問だ。」と指摘した。市民が庁舎移転について理解しやすく情報を得られるように、意見の集約が必要だと呼びかけた。
また、川本雅樹議員も、条例提案の即決性に対して懸念を示した。市民から寄せられた様々な反発意見について、十分に耳を傾けることが重要だと強調した。このまま進めれば、住民との対話なくして真に住民が望む街づくりが実現されないと警告した。
その後の討論では、賛成と反対の意見が分かれた。賛成意見の中では、杉本延博議員が「今回の条例はまちづくりの第一歩であり、コンパスの中心を決定することにより、周囲も動き出す。」と意義を訴えた。市民の利便性を向上させるためのプロセスを進めるべきであると述べた。
議会はその後、条例の可決を決定し、御所市役所の位置変更を承認した。この決定は、今後の御所市のまちづくりに影響を与える重要な一歩と位置づけられている。
さらに、議会では新たな副市長と固定資産評価員の選任案も可決され、新しい人材が市政に携わることになる。これにより、行政運営の透明性と市民サービス向上が期待される中、議会は特別委員会の設置についても一致した。特別委員会は、県域水道一体化に関する調査を目的とする。
定例会は、全ての議案が取り扱われ、無事に終了した。市長の東川裕氏は、議会の協力に感謝し、今後も市民の声に耳を傾けながら発展を目指すと述べた。