令和2年3月11日、御所市における定例会の議題では多岐にわたる重要な問題が取り上げられた。
特に注目が集まったのは、新型コロナウイルス感染症の影響による小・中学校の一斉臨時休校である。教育長の秋元直樹氏は、この状況において児童・生徒にプリント課題を配付し、家庭での学びを促進していると述べた。さらに遠隔授業の実施により、特に大正中学校では生徒のスマホの普及率が高かったために、教師が個人所有の端末を貸与する工夫が行われた。
一方で、当面の問題点として、多くの生徒が家庭内で閉じ込められることによるストレスの蓄積が挙げられた。教育委員会は、感染拡大が収まった際には登校日を設ける等の対応を検討する意向を示した。
また、避難所運営における女性の視点の重要性も占められた。市民安全部の嶋谷辰也氏は、避難所の運営において女性の参加の必要性を強調し、具体的な配慮とともに管理業務や介助業務に女性が参画できる体制作りが進むとの見解を示した。女性の視点を取り入れた避難所運営の概要も報告され、今後の着実な実行を期待される。
さらに、受動喫煙防止策についても議論され、タバコの灰皿の撤去や、市民への禁煙治療の助成案が提示された。しかし、健康増進法の改正に基づく具体的な施策の実行時期や実施内容については明確な方針がないという指摘もなされた。
加えて、産後ケアの重要性についても言及された。母子保健法の改正に伴い、産後ケア事業の充実が求められる中、窓口や訪問サービスの拡充が今後の方針として示された。市は、妊娠中からの支援体制を0からしっかりと構築できるよう取り組むと約束した。
最後に、水道事業に関連した議題も重要視された。水道局長の琴原照雄氏は、県水の収益性の問題や、経費削減の取り組みの一環として漏水調査の強化を挙げ、その結果を元にした今後の料金改定の見通しを示した。特に、改定料金は約35%上昇する可能性があることが言及され、詳細な経営シミュレーションが必要であることが強調された。
今回の定例会での議論は、御所市におけるさまざまな課題に対する解決策の構築へ向けた一歩となることが期待され、市民の安心・安全な生活を支えるための不断の努力が求められている。