令和4年6月15日、御所市議会は定例会を開催し、幾つかの重要なテーマについて議論を交わした。特に注目されたのは、南郷遺跡群に関する整備と観光資源の活用についてである。議員の川本雅樹氏は、遺跡群へのアクセス道路の整備や案内看板の設置を提言した。彼は、南郷遺跡群が古代豪族の拠点であり、観光資源としての価値が非常に高いことを強調した。
具体的には、極楽寺ヒビキ遺跡や南郷安田遺跡に関連する看板の設置や、トイレの整備が観光客の利便性向上に寄与するとの意見が出された。市長の東川裕氏も、この提案に賛同し、観光施策として南郷遺跡群を情報発信の拠点にしたいとの意向を示した。また、教育長の濱中誠氏も、看板設置については前向きに検討していくと述べた。
次に議論されたのは、公衆トイレの設置に関してである。葛城の道沿いには、現在11か所の公衆トイレがあるが、名柄から南郷にかけての区間にはトイレが不足しているという問題が指摘された。議員は、利用者が増えている中で、トイレ設置の重要性とその管理体制について説明を求めた。市の担当者は、トイレ設置の計画を進める方針を示し、維持管理についても地元自治体との連携を強化する考えを語った。
最後に、移動式期日前投票所の導入についても議論がなされた。議員は、高齢者や身体的に投票所に行くことが難しい一般市民にとって、移動式投票所の設置が必要であると訴えた。その意見に対し、選挙管理委員会は、他市の取り組みに注目しつつ、今後検討を進める方針を伝えた。市長は、すべての人が投票できる環境を整えることが重要であるとの見解を示した。
今回の定例会では、御所市が地域資源を活用しながら、市民や訪問者にとってより良い環境を提供するための具体的な方策が提案され、議員たちの熱心な議論が行われた。これらの施策が実現すれば、御所市の魅力向上に寄与することが期待される。