名古屋市における令和3年度予算案が、最初の首長会議で議論されている。
議題は、令和3年度名古屋市一般会計予算をはじめ、国民健康保険特別会計や後期高齢者医療特別会計、介護保険特別会計、母子父子寡婦福祉資金貸付金特別会計など多岐にわたる。特に注目されるのは、新型コロナウイルス対策に伴う予算配分の見直しだ。河村たかし市長は、"市民の安全と健康を守るために、集中的な財政支援が求められる"と述べた。
また、子ども青少年局では、地域の日本語教育強化と女性支援を目的とした施策の拡充が今後の柱になると報告。それに対して、議員からも各種説明が求められた。興味深いのは、名古屋市の教育方針として、すべての学年において防災教育を組み込むことであり、地域の訓練に参加させるなど実地体験を通じて学ぶ取り組みも進めていく。
市長の公約である名古屋城天守閣の木造復元については、依然として賛否の分かれるところだ。現在進行中の文化庁との調整に関し、観光文化交流局の松雄俊憲局長は"史実に基づく復元が最優先である"と強調した。この木造復元の過程では、文化遺産の保護と共存した取り組みが求められており、議会内外からの意見も注目される。
ここで問題視されるのは、先の文化庁との調整が順調に進まない中で進行している各種工事とその透明性についてだ。情報開示の不足によって、市民の理解が得られない懸念が指摘されており、今後の議論が重要になる。市側の姿勢は変わらず、彼らは"地域活性化にも寄与する大事なプロジェクト"と位置付けているが、実際にどのような成果が上がるかは不透明である。