名古屋市議会は、令和3年2月定例会を開催し、様々な重要議案が討議される中で、特に敬老パスや独り親家庭の支援策が注目を集めています。
特に、敬老パスに関する利用回数制限の導入は、市民からの関心が高く、有用性が問われています。健康福祉局長の山田俊彦氏は、「現在の特別養護老人ホームへの入所状況や、医療的支援が必要な高齢者の受入れ状況について」法的根拠を述べつつ、市民からの同意を求める手続きについて説明しました。その中で、利用回数制限が導入される背景には、制度の持続可能性の確保があることも明らかにされました。
また、議会では、三輪芳裕議員がAI技術の導入について詳しい質問を行い、人工知能を利用した独り親家庭支援の新たなシステム構築を提言しました。「このシステム導入により、必要な支援を適切に提供できる体制を整えることが重要」と述べ、首長にも前向きな検討を求める姿勢が見えました。
いじめ問題に関しては、教育長の鈴木誠二氏が、いじめの早期発見システム導入の必要性を強調し、全国的ないじめ認知件数の増加を受けて、名古屋市でも独自の対策が求められています。特に、滋賀県大津市の先進事例を参考に、AIによる予測システムの導入を検討することが合意されました。
災害時の避難支援に関しても議論が行われ、渡邊正則防災危機管理局長は「災害時における情報提供の透明性が求められる」との考えを示し、市民に正確な情報を届けるための方策を検討することが確認されました。AIを活用した情報蓄積と提供が鍵となるという認識も示され、より効率的な避難支援の体制づくりが求められることが確認されました。
最後に、厚生院の今後の在り方についても唐突に議論が巻き起こりました。市内外の特養との差異を挙げて、「公的役割を明確にするため、厚生院の基盤を強化すべき」との意見が交わされ、特に今後の待機者問題の解決に向けた議論が活発化しました。この点についても、市としての正式な方針はまだ明示されず、不安の声を残しました。