名古屋市の令和4年9月の定例会では、30件の議案が一括で審議された。今回の議案には、公共の福祉に関連する条例の一部改正や新たな予算案などが含まれている。特に、名古屋市長 河村たかし氏は、今後の名古屋市における環境問題への取り組みとして、地域のプラスチックごみの循環利用促進に関する施策を強く推進する意向を示した。この中で、手塚将之議員が言及したのは、バイオマスプラスチックの導入についてである。手塚議員は、「バイオマスプラスチックは、環境に優しい素材として注目されつつあり、名古屋市でも積極的な導入を進めるべきである」と提案した。
河村市長は、現状においては、全ての家庭用可燃ごみ指定袋をバイオマスプラスチックに置き換えることは難しいが、2030年を目標に段階的に導入していく必要があるとの考えを示した。また、代替素材の使用についても、国からの指導に基づき、地域のニーズに合わせた対応が求められるとした。これに対し、教育長の坪田知広氏は、学校図書館への図書の充実と合わせて、地域での文献に接する機会を拡充する重要性に言及し、情報の収集・活用方法を示すことが大切と訴えた。
議論のついで、消防団の活動に関する質問も行われた。この点に関して、消防長は市民の安心安全を第一に考え、今後の消防団活動には、気候変動を考慮した暑さ対策の徹底を示唆した。さらに、災害時の自主防災活動として、学校体育館の使用等の方策を検討する必要があるとの見解を述べている。
また、上村みちよ議員からは、名古屋市の乳がん検診の年次実施について提言があり、「早期発見の観点から、全ての女性が毎年検診を受けられる仕組みが必要である」とした発言があった。統計によれば、名古屋市職員では毎年検診を受けている事実があり、一般市民へもその取り組みを浸透させるべきだとの意見が出た。
今後名古屋市は、各議員から寄せられた様々な問題提起を受けて、公共の福祉を第一に行動し、持続可能な施策を実施していく方針を再確認する重要な機会となったことがうかがえる。