令和3年5月18日、尾張旭市議会の臨時会が開催された。市民生活に直結する重要な議題が議論された。特に目を引いたのは、一般会計補正予算の承認及び市税条例の改正である。
市長の森和実氏は、「低所得のひとり親世帯に対する特別給付金の支給に伴い、予算が追加される必要があった」と述べ、承認第1号に関する専決処分の理由を説明した。
この補正予算では、歳入歳出それぞれに4,410万円が追加され、総額は257億861万円となる。同市の新型コロナウイルス感染症対策として、新たに創設された予算であるため、議論の必要があったが、急を要する状況下での専決が選択された。
市議会運営委員長の川村つよし氏は、議会運営委員会における予算要望としてWi-Fi導入や議事録作成支援システムについて触れ、今後の予算編成に向けた課題を指摘した。
山下幹雄議員は「制度設計が不十分なまま、専決して良いのか」と疑問を呈し、議会の決議が不可欠であるとの見解を示した。これに対し、秋田誠副市長は、「議会招集の時間的余裕が無かった」と応じ、具体的なスケジュールについて言及した。
また、議長の早川八郎氏が辞職を表明し、その後の選挙で片渕卓三氏が新議長に選出された。片渕新議長は、「市民の意見を柔軟に取り入れ、市政発展に寄与していく」と挨拶し、議会改革の推進を誓った。
副議長にも川村つよし氏が選任され、「活発な議論ができるよう努めたい」と述べた。
今回の臨時会は、コロナ禍の影響を受けた市民への支援についても焦点が当たり、議員からはそれに対する質疑や討論が行われた。また、議会運営の透明性を確保するため、コロナ対策として出席者数を制限する対応も見受けられた。
新議会運営体制と補正予算が承認され、尾張旭市の行政運営は新たな一歩を踏み出した。各議員は市民に寄り添った政策を推進し、持続可能な地域社会の構築を目指す所存である。