令和5年2月9日、練馬区議会は第1回定例会を開催し、一般質問が行われた。各議員が多岐にわたるテーマで質問を重ね、特にデジタルトランスフォーメーション(DX)や子ども施策、高齢者施策に関する発言が目立った。
その中で、沢村信太郎議員は、区長並びに理事者に対し、DXの推進について詳細な説明を求めた。彼は、アナログで存在していたデータのデジタル化が重要であり、データの利活用が政策立案のために不可欠であると強調した。また、住民サービス向上のためには、従来の個別課題から、複合的なニーズに基づいたサービス提供への転換が必要であると述べた。
次に、教育相談室の設置や教育バウチャー制度の導入を通じて、若年層の育成や教育機会均等に努めるべきだとの意見が出された。区長は、こうした施策の強化に向けた取り組みを明言した。さらに、教育についての質問が多数寄せられ、特に運動能力低下を憂慮する声が多かった。実際、練馬区の子どもたちの体力は全国的な調査で低下傾向にあると言われている。
また、高齢者施策に関しても多くの議員が意見を交わした。高齢者保険指導専門員による地域包括支援センターとの連携で、医療未受診者への働きかけが強調され、健診未受診者に対する取り組みの拡充が求められた。区長は、地域の特性に応じた高齢者施策に継続して取り組む意向を示し、今後の支援策を詳しく述べた。
一方、特殊詐欺対策の強化が必要であるとの声も上がり、多くの高齢者が被害に遭う中、行政の支援や周知啓発の重要性が訴えられた。また、町会・自治会支援に関する質疑もあり、地域活動の活性化を図るための具体策として、デジタル化の支援が提案された。
さらに、脱炭素社会の実現に向けた取組として、練馬区の環境政策や再生可能エネルギー導入に向けた施策も話題に上った。区長は、2050年までに二酸化炭素排出量を実質ゼロにするための方策を展開する意欲を示し、地域の協力が不可欠であるとの認識を強調した。
総じて、令和5年第1回定例会では、様々な議題が取り上げられ、練馬区の未来を見据えた具体的な施策が議論された。これにより、区民の生活向上や安全対策、持続可能な環境づくりに向けた取り組みが加速すると期待される。