令和3年12月定例会の大田原市議会では、複数の重要議案が上程され、討論や質疑が交わされた。特に市長専決処分に関する議案第72号は、出席議員全員の賛成で承認された。議案第72号の内容は、令和3年度大田原市一般会計補正予算に関する事項で、市の運営に大きな影響を与えると見込まれる。市長は「この予算は地域の活性化に寄与する」と強調した。
次に、議案第75号から議案第80号までの条例改正に関する質疑が行われた。これには市民生活に密接に関連する内容が含まれており、多くの議員が関心を示した。質疑では、産業振興部長が「税制改正に関する国の動向を注視している」と述べ、地域特有の課題に対する取り組みを報告した。
特に議案第83号、令和3年度大田原市一般会計補正予算(第7号)については、大幅な米価の下落に伴う独自の支援策が提案され、600件分の支援が計画されている。秋山幸子議員は「支援の配分方法について詳細を問う」質問をし、産業振興部長が「1ヘクタールにつきの補助を考慮している」との説明を行った。これにより、農家の経済的負担の軽減が期待される。議会では水田農業の推進費用の構成についても検討されており、今後の行動計画が注目されている。
一般質問では、菊池久光議員が、北関東北部横断道路の整備に関する進捗状況を尋ねた。市長は、国および県との協力を強調し、「引き続き要望活動を行っていく」と意気込みを見せた。さらに、スケートボードの利用に関連する問題についても質疑が交わされ、安全確保の観点から時間制限や安全対策の必要性が指摘された。教育部長は「スケートボード利用者には特段の配慮をお願いしたい」と述べ、今後の施策に注力する意向を示した。
最後に、大豆生田春美議員がこども医療費助成事業の現物給付について言及し、実施の可能性を模索する意義を訴えた。市長は県の意向を待つ姿勢を示しつつ、検討を進める意義を述べた。疑問点や提案が多くの議員から発せられる中、議会の活発な議論が展開された。今後、市民の生活向上に寄与する施策が実現することに期待が寄せられている。