令和3年6月の那須塩原市議会定例会では、コロナ禍における選挙投票率の低下や、デジタル格差、高齢者支援、防災・環境問題、国体の開催計画などが議題に上った。
特に、最近の市議会議員選挙において42.66%と過去最低の投票率を記録し、前回比で約5%の減少が見られたことが指摘された。選挙管理委員会の板橋信行事務局長は「若年層世代において関心が低いことが要因」と説明した。これに対して市は、啓発活動を強化し、特に若年層をターゲットにした出前講座や模擬投票などの取り組みを計画している。
また、投票所の入りやすさにも配慮し、土足で入れるようにしたことが市民から好評を得たという。しかし、依然として投票所へのアクセスに不安を感じている多くの高齢者がいる。昨年のデイサービスからの意見が指摘され、投票支援の必要性が強調された。
次に、デジタル格差に焦点を当て、特に高齢者へのICT(情報通信技術)支援が重要視された。市では公民館を拠点にしたオンライン講座などを計画し、デジタルデバイド解消に取り組む方針が示された。市民の約25%がみるメールなどに登録済みであり、このデータを元にさらなる普及を目指す。
気候変動に関する問題も取り上げられ、2040年実質ゼロを目指す動きが進行中である。環境大臣との提言や、地域脱炭素ロードマップに基づいた取り組みが重要視されており、市民に対する啓発活動と教育も強化が必要とされている。特に、企業との連携やグリーンファイナンスを活用した政策の構築が求められている。
また、来年大会の「いちご一会とちぎ国体」に向けては、感染防止策が強化される。会場では選手や関係者の健康状態チェックが徹底される一方、ボランティアや観客の受け入れ体制の強化も進められ、特に地元住民の協力が期待されている。市は、選手や観客に対して、県の補助を得ながら、リハーサルや大会の円滑な運営を目指す計画だ。
これらの議題は、市の未来に大きな影響を及ぼす重要なテーマであり、特に若年層の参加促進、高齢者への配慮、デジタル化の支援、環境問題の対策等、包括的な取り組みが求められている。