令和元年第2回浅口市議会定例会が開かれ、さまざまな議題が取り上げられた。特に注目を集めたのは、浅口市の交通網や防災対策に関する質疑である。
一般質問では、議員の山下周吾氏が浅口ふれあい号について多くの意見を述べた。高齢化社会を迎える中で、ふれあい号の運用が市民の交通手段の確保にどのように寄与できるかが議論された。山下氏は、平成30年に実施した交通サービスに関するアンケート結果を引き合いに出し、利用率の低さを指摘した。このアンケートでは、82%の市民がふれあい号を知っているものの、93.8%がほとんど利用していないと回答したが、急速に高齢化が進む中で運転免許証を返納する考えを持つ市民が77%に上ることから、今後の利用促進の必要性を訴えた。
また、企画財政部長の徳田政太郎氏は、ふれあい号の運行本数を増やすことに取り組んでいると述べ、今後は利用者の意見を反映させた効率的な運行を行う必要があると強調した。過去3年間のルート別乗車人数のデータも示され、金光北線では前年比16%の増加がみられた。一方で、寄島西線は3%の減少が見られたことも報告された。
さらに、所有者不明土地に関する質疑も行われた。生活環境部長の新田直哉氏によると、浅口市における所有者不明土地の件数は40筆であり、課税保留の件数は14件、約25万円の不納欠損処分が生じていると説明された。市としては、所有者不明土地を増加させないために登記の確実な手続きの必要性を訴えるとともに、今後の取り組みの重要性が示された。
防災対策に関する議論も活発に行われた。市は、先の豪雨災害から学び、市民意識の高揚に努め、自主防災組織の設立を進めている。企画財政部長は、地域防災活動を活発化させる必要があるとし、自治体における防災基本条例の制定についても言及した。さらに、認知症施策に関する話題が挙がり、行方不明の高齢者を迅速に保護するための対策を検討することが求められた。特に、倉敷市で行われている「安心おかえりシール」の導入が提案され、式本港台灣使用の可能性も示された。
これらの質疑を通じて、浅口市は今後も地域交通の活性化や防災対策の強化に取り組むことを示し、市民の安全と利便性向上に向けた努力が続くことが期待される。