令和2年第100回多可町議会定例会が9月3日、開催された。開催にあたり、議長の吉田政義氏は、厳しい残暑の中での開会をし、安定した財政運営への懸念を示した。
今回の定例会では、令和元年度の各会計歳入歳出決算認定や教育に関する報告など、住民に身近な重要案件が取り上げられる。話題の一つに、多可町の教育の点検及び評価報告がある。教育長の岸原章氏が、「ここ1年間の施策を点検し、評価を提出することが義務付けられている」と述べた。これに対し、教育総務課の宮原文隆氏は、「審査委員が行った評価の結果を基にさらなる教育向上を目指す」と述べた。
また、町長の吉田一四氏は、令和元年度の決算について説明。歳入115億2480万6718円、歳出113億4189万7128円で、黒字決算を強調した。特に全会計の基金残額は71億287万3841円で、住民一人当たり1万3884円の増加が見込まれるとし、景気の回復を伺わせた。
この会議では公共事業や健康保険制度の見直し、さらに借金の減少を進めるための方針が明示され、特に財政指標の改善が期待される。
しかしながら、質疑応答では、議員から教育に関する評価の信頼性について等、活発な意見が寄せられた。日原茂樹議員は、「評価委員の選定に多可町の実情を理解した人を選んでほしい」と求める。
さらに、今回の会議で重要とされるのは、非核平和の町宣言に関する決議が可決されたことだ。日原議員が提案したこの宣言は、核兵器を廃絶することに対する決意を示すもので、多可町の理念として、平和の維持が重視されている。
吉田政義議長は今後も慎重な審議を求め、住民の期待に応える議会を目指すと述べ、開会の挨拶を締めくくった。会期は9月3日から9月28日までの26日間に設定されている。議場の温度が高まりつつある中でも、議員たちはこの議会を通じて住民のための政策を考えていくと強調した。