令和4年12月1日、相馬市議会において定例会が開催された。主な議題には、相馬市教育委員会教育長の任命や、様々な市民要求が取り上げられた。
市長の立谷秀清氏は、地場産品の現状について触れ、浜の駅松川浦などの物販施設において市内産の商品割合が依然として少ない現実に対応し、魅力的な地場産品の創出の重要性を指摘した。特に、浜の駅の地場産品は約3割程度、市外商品が7割を占めており、この状況をどう改善していくかが今後の課題であると述べた。
さらに、相馬市の新規創業者支援に関しても言及があった。市は、独立開業を目指す者への支援策として、チャレンジショップを設置しているが、これが果たしてどれほどの効果を上げているか疑問視されている。特に、飲食業の創業支援の難しさについても言及され、新たな支援策が求められるとの声が上がった。
また、先日の福島県沖地震に伴う災害被災者の復旧支援についても、多数の相談や申請があり、地方公共団体が行う支援体制の強化が必要とされている。市長は、災害からの復旧は重要な課題であり、特に住宅に関する援助の充実を図る考えを示した。
その後、相馬市教育長の福地憲司氏は、学校の通園バスにおける安全対策について質問を受けた。市内の幼稚園での通園バス活用状況を説明し、現在導入されている安全装置については思いがけず進んでいないことを明らかにした。また、簿記や防災についての講習も行われているが、統一した訓練計画が必要であると強調した。
議会の後半では相馬流れ山踊りや相馬駒焼などの地域の伝統芸能とその継承がテーマとなり、会議参加者の間でこれらの文化を次世代に伝えるための具体的な取組について意見が交わされた。特に、学校教育での伝統芸能の指導が必要であるとの意見があり、子供たちに相馬の伝統を学んでもらうことが重要であるとの認識が広がった。
最後に、武芸の伝承についても言及され、国指定重要無形民俗文化財である相馬野馬追の継承が重要であると再確認された。市は引き続き、地域文化の振興に努め、相馬市らしい地域づくりを推進していくとしている。