令和2年12月8日に開催された豊橋市議会定例会では、多くの議員が新市長の施策に対する見解を問いかけた。
特に、ユニチカ跡地問題については寺本泰之議員が強く言及した。彼は、市民が抱く疑問に答えるため、議事録の情報開示を求めてきた経緯を述べ、その内容について市の説明責任が不十分であると指摘した。特に、前市長が議会に諮らず独断で土地を売却した経緯は大きな問題視されており、その理由や経過が分からないままでは市民の信頼を得ることは難しいと強調した。
また、本市の入札制度についても問われた。寺本議員は、現行の制度が健全な競争を妨げているとして、最低制限価格などの導入に関する法的根拠に疑問を呈した。具体的なデータを基に、透明性のある制度見直しが必要である具体的事例を挙げ、議論が行われた。
さらに、新市長の公約となるSDGsに基づくまちづくりや公共ファシリティマネジメントへの取り組みについても議論となった。伊藤篤哉議員は、新市長は持続可能な社会の実現に向けて具体的な施策を進めていく姿勢を見せるべきだと指摘した。市民の理解を得るためにも、SDGsといった理念を根付かせるには具体的な行動が必須だと述べた。
近藤喜典議員は、本市が持つ自然や先進的な産業を活かした施策が必要だと訴え、特に教育の重要性を強調した。教育が市の活性化に繋がるからこそ、若年層に対して強いアプローチが望まれる。
その後、競輪事業についても取り上げられた。市長は、競輪場の営業が市に与える影響と新たな収益戦略について考えていると述べ、地方創生や観光振興との連携にも言及した。しかし、競輪事業の持続的な進展には地域の理解と参画が求められており、その構築がどのように進められていくのかが今後の課題として浮かび上がる。
中心市街地の活性化に関しても重要な論点となった。市街地を活性化するためには、商業機能の充実や地域資源を生かした施策が必要であり、市民参加型のまちづくりが鍵となるとの意見が交わされた。特に、安定した人口を確保し、中心市街地の自治の在り方を見直すことが求められている。
最後に、堀田伸一議員による市のシティプロモーション活動への評価がなされ、この活動が地域の皆覚の心をひとつにし、豊橋の魅力を高めるためには継続的な取り組みが必要だとアピールされ、閉会となった。市長は、これらの取り組みに全力を尽くす意向を示したが、議員からの厳しい目線を感じる無難な発言が続いていた。