令和5年12月20日に開催された江南市議会で、重要な議案の審議が行われた。議案の中には、議員報酬、特別職の給与、教育長の勤務条件等、全ての職員に影響を及ぼす重要な経済的事項が含まれる。特に、議案第93号および第94号では、議員及び市長、副市長の期末手当の引上げが提案されている。具体的には、議員報酬が約14万円増加し、市長が約13万円、副市長が約12万円の増額となる。
この提案に対し、議員の中からは賛否両論が寄せられた。賛成派は「社会一般の情勢に基づいた合理的な改定」と主張し、国の方針に準じた給与改定が必要と述べた。一方で、反対派は市民感情を重視し、「物価高騰に苦しむ市民に配慮すべき」「不況の中で市民生活を第一に考えるべき」といった声が上がった。中でも、掛布まち子議員は「生活が厳しい市民を一層追い詰める市政になっている」と強調した。
また、議案第96号では江南市職員の給与に関する条例改正が提案され、同様に期末手当が引き上げられることになった。企画部長の平松幸夫氏は、今回の改定は国家公務員に準じたものであり、持続可能な施策を推進する一環であると説明したが、市民からは「状況に見合わない」の声も一部あった。
さらに議案第97号の令和5年度江南市一般会計補正予算においても、職員人件費が見直され、追加措置が講じられることになった。総務委員長の長尾光春氏は「財政状況を考慮し、必要な範囲内での補正が要請される」と述べた一方で、年度ごとの経費削減も重要であるとのバランス意識が感じられた。
請願案件では、布袋ふれあい会館のお風呂の存続を求める意見があり、審議の結果、再審案は不採択とされた。議長は「市の予算を他の施策に振り向ける必要がある」と説明した。市長澤田和延氏は支援策として、新たな助成の計画を示唆し、今後の政策展開への期待感を持たせた。
この議会での審議は、物価高騰や市民生活の厳しさを背景に、それぞれの施策がどのように市民と向き合うのかが再考される、大切な機会となったと言えそうだ。