令和6年3月定例会では、政策や施策について様々な質問が行われた。特に目を引いたのは、物価高騰や難聴者に対する支援、市全体の均衡ある発展に関する議論であった。
物価高騰対策として、小林松子議員(日本共産党)は、国や県による給付金制度について具体的なデータを示し、申請手続きが煩雑であることや照会漏れの問題を提起した。遠藤修福祉部長は、国の支援金が無申請なら受給できるケースが多い中、支給案内から漏れる世帯の把握と手続きを簡素化する必要性があると述べた。
次に、難聴者への支援を巡っては、特に高齢者に向けた耳の検査や補聴器購入の助成制度が求められた。遠藤福祉部長は、地域での支援体制の重要性を強調しつつ、軽度・中等度の難聴者を対象とした市独自の助成制度は現時点では導入しない方針であると説明した。市は、国や県の施策に応じた支援を強化する意向を示した。
また、デジタル・トランスフォーメーション(DX)の推進についても盛んに言及された。重田善行企画部長は、スマートフォン教室や公衆無線LAN環境の整備による地域のデジタル化を進めているとした。特に高齢者へのデジタル活用支援に力を入れ、利便性向上を目指す考えが示された。スマホ教室も多くの市民に参加されており、参加者からは好評を得ていると報告された。
ここで特筆すべきは、産後うつへの取り組みである。東城洋市民健康部長は、助産師などによる訪問型支援やショートステイ型事業などを通じて、産後の女性への支援を強化している旨を説明した。特に、相談体制や継続的なフォローの重要性が語られ、認知症予防活動との統合的支援も提案された。
中学校の部活動における地域移行についても議論が交わされた。依田誠社会教育部長は、保護者の負担や指導者の確保が課題となる中で、地域の人材を採用する新たな取り組みを推進中であるとした。これにより、様々な生徒が参加しやすい環境を整えることが求められている。
今後の佐久市の取り組みが成果を上げることに期待が寄せられている。特に、視覚的にも分かりやすい情報提供や、支援に対する理解を深めていく努力が重要とされている。市民一人ひとりが自分の健康を意識し、可能性を広げていくための施策が進められることが望まれる。