令和2年3月6日、鶴岡市の定例会において、一般質問が行われた。
午前中の議事では、21番の阿部寛議員が森林の利用と保護、及びその整備状況について質問を行った。特に森林道の整備状況について、同議員は「林道は木材の搬出にとどまらず、観光や森林学習にも重要な役割を果たす」と述べ、整備の必要性を強調した。これに対し、農林水産部長の高橋和博氏は、「林道は177路線、総延長324キロメートルのうち、新規開設の計画があり、優先順位をつけて行う」と答弁した。
次に、露地野菜についての育成策が取り上げられ、阿部議員は「地元の野菜生産を安定させるためには、大規模農業経営者の育成が重要」とし、具体的な施策を求めた。それに対し、農林水産部長は「県内農業法人の状況を踏まえ、若手農業者を育成するための取り組みを進めている」と答えた。
さらに、観光資源の一環としてのクアオルトの取り組みについて、阿部議員は「温泉地における健康保養地としての可能性を強調し、それに向けた市の見解を求めた」とのこと。商工観光部長の佐藤正胤氏は、「観光地の個性を活かし、新たな体験プログラムの開発をしていく」と回答した。
観光客の公共交通に関する質問でも、東日本大震災以降の公共交通の減少について意見があり、阿部議員は「観光客のための便数やルートの見直しが必要」と訴え、市の施策を厳しく問いただした。市長も公共交通の確保の重要性を認識しており、今後も改善に取り組む方針を示した。
次に、教育関連では、令和6年4月の学校中高一貫校設立についての進捗報告があり、教育長の布川敦氏が「着実に計画が進行しており、地元の意見を尊重して進めている」と述べた。各課の連携強化が重要であると強調され、中学校のカリキュラムの柔軟性にも言及された。
また、防犯対策において、最近の犯罪増加を踏まえた防犯カメラの普及に関して、各市町村の事例を紹介し、設置の支援制度が求められた。市民部長は「県や国の支援を活用し、要望活動を進める考え」を示した。
最後に、国土強靱化地域計画について言及があり、安全性を高めるためのインフラ整備の重要性が強調され、多岐にわたる施策についての具体的な説明がなされた。市は今後も効果的な対策を講じ、災害に強い地域づくりに邁進することを確認した。
以上のように、多くの質問とともに鶴岡市の将来や課題について幅広い議論が繰り広げられる一日となった。特に森林活用や観光施策、教育、公共交通、防犯対策など、市民生活の向上を目的にした議論が展開されたことが特徴的である。