令和5年第3回北本市議会定例会は、9月15日に開かれ、市政における重要な議題が浮上した。
新ごみ処理施設については、埼玉中部環境保全組合の役割が強調された。市民の約半数がこの問題に関心を持たない現状を踏まえ、工藤日出夫議員は、市長の覚悟と戦略的方針を問うた。市長は、施設整備の基本理念を「循環型社会」とし、徹底した情報公開と市民の不安を解消する方針を示したが、具体的な責任の所在は依然として不透明である。
加えて、新たな地域経済産業基盤の構築に関する議論が行われ、財政指標が示すように北本市の経済は厳しい状況にあることが改めて浮き彫りになった。市長は、デジタル社会への適応や新たな労働者協同組合の活用に言及したが、これらが実現するまでには多くの課題があると認識されている。
合葬型納骨堂の整備についても、議論が展開された。市民のニーズに応じた柔軟な対応が求められる中で、調査研究が進んでいるが、その実態や具体的な進展は不明瞭だ。市長は、他市での取り組みを参考にしつつ、北本市においても手続きを進めていく意向を示した。
教育関連の議題でも、教育相談や支援体制の強化が重要視されている。市内での不登校の増加に対して、スクールカウンセラーやソーシャルワーカーによる支援が行われ、さまざまな取り組みが進められているが、その効果は未だ十分とは言えない。また、学習支援の重要性が認識されているものの、必要とされる児童生徒への個別対応が今後の鍵となるであろう。
保育関連では、安全対策が重要視され、送迎バスの安全装置導入率が92.3％に達している一方、この後も引き続き注意促進が求められている。児童の安全を守るために、保育士の知識とスキル向上が必要であり、公立保育所での安全管理体制の充実が求められる。
心身に障がいのある人に対する施策についても、手帳制度や窓口での複雑な手続きが問題視されている。市は、より分かりやすさや利用しやすさを実現するための取り組みを続ける方針を示したが、具体的な施策が待たれるところである。