令和5年9月13日、藤井寺市議会において一般質問が行われ、地域医療の根幹をなす藤井寺市民病院の閉院についての議論が展開された。片山敬子議員は、これまで73年にわたり地域医療を支えてきた同病院が2024年の3月末をもって閉院する見込みで、急な通知に市民からは驚きと困惑の声が寄せられていると強調した。
片山議員は、特に新型コロナウイルスの影響で病院経営が困難になっていること、また、医師不足が進行している事実を指摘し、今後の患者受け入れ体制について否定的な見解を示した。松田和人病院事務局長は、病院の経営が悪化し、令和4年度は病床利用率が20%に満たない状態であり、来年度の資金繰りも危ぶまれていると述べた。
議会では、患者の受け皿となる医療機関への引き継ぎについても話し合われ、特に高齢者や小児科の医療がどのように確保されるかが重要なテーマとなった。副市長の小林宏行氏は、他の医療機関との連携を強化すること、必要な移動手段を早急に整えることの重要性を改めて訴えた。さらに、職員の処遇についても、多くの職員が市への配置転換を希望している中で、その実現に向けた柔軟な対応が求められている。
このように、藤井寺市民病院の閉院を巡る問題は、単なる医療機関の一つの閉鎖にとどまらず、地域医療全体に深刻な影響を与える事案となる。今回の議論を通じて、地域医療の維持と発展に向けた方策の検討が急がれる状況にある。市民の医療アクセスを確保するため、医師会や地域医療の関係者との連携が一層重要になることを市には警鐘を鳴らすよう求められている。
議会はこの件について、今後も市民の意見を踏まえた柔軟な対応を重視し、必要な施策を進める姿勢を示した。市が抱えるこの大きな課題に対し、迅速かつ効果的な対策が求められる。