令和元年6月の第3回玉野市議会定例会では、各議員が市の災害対策や地域福祉、医療の重要な課題について質疑を行った。特に注目を集めたのは、農業用ため池の管理や防災施策についての取り組みである。
まず、農業用ため池管理保全法の成立に伴う玉野市の対応について、産業振興部長が説明した。この法律は、農業用ため池が決壊した場合の被害を防ぐため、国と地方自治体の役割を明確化し、適切な管理や保全を行うことを目的としている。玉野市では現在、275カ所のため池を確認しており、防災重点ため池は224カ所に上る。これらのため池については、今後も県と連携して改修や廃止を検討することが求められ、地域のニーズに応じた取り組みを強化していくことが強調された。
次に、避難行動要支援者名簿についての質問があり、健康福祉部長が答えた。名簿は、地域の高齢者や障がい者等を対象にまとめられており、1,681名が登録されていることが報告された。しかし、同意を得られない場合や未回答の方が多い状況もある。こうした課題に対して、自助及び共助による支援や地域での交友関係の重要性が指摘された。実際に避難行動が取れるよう乗り越えていく必要がある。
また、地域包括ケアシステムの整備状況についても言及され、在宅医療体制が進展している旨が伺えた。市は、医療機関や福祉施設との連携を進め、地域内の支援体制の充実を図ろうとしている。ただし、他市との連携や強化が重要な要素であり、今後の取り組みに期待が寄せられている。
本定例会では防災・減災や福祉施策が中心に討議されたが、課題は多く残されている。市民のニーズに応じた政策の充実と迅速な実施が求められている。この議論をもとに、今後の市政運営が望まれる。その中で特に重要なのは、各種施策が市民にしっかりと伝わり、一体感を持って進められていくことだ。市民が求める安心・安全な居住環境を整えるため、さらなる努力が期待される。