令和2年6月30日に開催された倉敷市の文化産業分科会では、重要な補正予算案が審議された。今回の議題は、コロナ禍で困難を抱える事業者の支援を目的とした施策の実施に関するものである。
議案第92号では、一般会計補正予算の中に新たに設けられた「お店を応援☆キャッシュレスでお得」事業が含まれている。この事業は、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、市民や事業者に求められる新しい生活様式を反映したものである。倉敷市商工労働部の早瀬部長は、消費を喚起するためにポイント還元を導入することを説明した。
具体的には、スマートフォン決済を利用した場合、利用額の20%を還元する。還元の上限は一人当たり5000円までで、総額5億円がプレミアム分として計上され、約25億円の消費効果が見込まれている。この施策は、スピーディな実施と地域経済活性化を目指すもので、各店舗へのメリットが期待される。早瀬部長は、「市外の方も利用できるため、観光地としての誘客効果が期待できる」と強調した。
委員からは、スマートフォン決済の利便性を指摘する声も上がるが、特に高齢者を懸念する意見もあった。平井委員は「スマートフォンを持っていない方々へ配慮が必要だ」と述べ、早瀬部長は「新たな普及啓発活動を通じて説明を行う」と応じた。さらに、地域内で利用可能な店舗数についても議論され、商工労働部は約7500社を想定している。
また、セキュリティ面や事業者間での情報共有に関して疑問が提示され、早瀬部長は「複数の決済サービス事業者に声をかけ、最も有利な条件を引き出す考え」と回答した。商工業振興費からの支出とともに、この新たな事業が地域の店舗支援に如何に貢献するかが期待される。
最終的に、議案は全員賛成で承認され、今年度の補正予算案は通過した。これにより、倉敷市は地域経済の再生に向けた強い意志を示した。