令和2年3月に開催された胎内市議会定例会では、26件の重要議案が審議された。およそ28日間の会期が設定され、議会運営委員長が議会の運営について説明を行った。
特に注目されたのは市長、井畑明彦氏による施政方針の発表である。井畑市長は、人口減少と少子高齢化の進行に関して、持続可能な地域づくりに向けた施策の必要性を強調した。この中で、「教育、子育て、少子化対策」や「高齢者支援」の取り組みが重要で、地域の愛着の醸成を通じて実現を目指すと述べた。地域の子育て支援に向けては「第2期胎内市子ども・子育て支援事業計画」を基に、新たな施策を推進することが伝えられた。
また、会計予算案の中では、令和2年度の一般会計予算と国民健康保険事業特別会計予算のそれぞれの承認が求められた。特に、一般会計では歳入歳出のバランスを維持しつつ、203億円を超える予算案が計上され、国庫支出金の確保やふるさと納税の活用が加味されていることが重要なポイントである。特に、公共サービスを向上させることを目指した12件の新規事業が含まれる。
一方で、議案中には困難を抱える公共施設の運営委託に関する決定もあった。胎内市のスキー場、ホテル、リゾート施設の運営では、昨年度の収支が厳しい状況であったため、149,000万円に及ぶ予算増額の提案があった。これに対する反応は様々で、議員からは多岐にわたる質問が寄せられた。特に、経済の行く先を見極めながら、バランスのとれた支出を進める必要性が議論された。短期的には営業赤字を抑制しながら長期的な視点での経営方針が求められている。
さらに、議会では、新型コロナウイルス感染症への対策も話題に上がり、特に妊婦や高齢者に対する支援策の充実が求められた。予備費を活用し、消毒液やマスクの配布を検討する必要があるとの意見が出され、市長は迅速な対応を誓った。このように、施政の理念と予算の実情が激しい議論の渦巻く中、今後の市政運営に注目が集まっている。