令和4年9月、第3回定例会が開催され、多くの議員が新型コロナウイルス対策や観光振興に関する問題を提起した。
特に、新型コロナウイルスワクチンの予防接種に関する議論が目を引く。17番の小田孝明議員は、ワクチン接種の流れについて詳細に質問を行った。市長の金澤秀三郎氏は、接種の実績として、初回接種分の6万3,180回分、3回目が3万5,790回分など、具体的な数字を挙げて報告した。
一方で、平野利和議員は、ワクチン接種率の向上に向けた取り組みと市民への周知について指摘した。接種率向上のために地元医師会と連携し、より多くの接種機会を設ける必要性が強調され、夜間接種の導入や、特に未接種の若い世代へのアプローチが求められた。
また、観光振興についても多くの議員から意見が出された。特に、雲仙地区の観光振興に関連する復興に向けた取り組みが注目された。矢﨑勝己議員は、今後の計画や実行状況についての詳細な報告を求め、具体的な提案を行った。市長は「越えて、より先へ雲仙」を合い言葉に、国・県関係者と協力して進める方針を示した。
特に、昨年の豪雨被害からの復旧状況や観光施設の案内標識の充実化、公衆トイレの改修、冬期に利用できないトイレの改善など、多岐にわたる方針が示され、市民が一層の利便性を感じられるよう努める意向が発表された。
福祉行政においても、補聴器購入費への支援が大きなテーマとなっている。多くの議員が聴覚障害者への支援拡充を訴え、補聴器購入の助成制度が身体障害者手帳を持つ者に限られている点を指摘した。今後、幅広い年代を対象とした支援制度の見直しが必要との意見が集まり、制度の周知も重要視されている。
雲仙市は、これらの課題への対応を通じて、市民が安心して暮らし、観光に訪れたくなる魅力ある地域を目指す姿勢を明確にした。