令和5年3月2日に開催された大町市議会の定例会では、さまざまな重要なテーマが議論された。特に注目されたのは、大学誘致や水をテーマにしたサステナブルな町づくり、中学校の部活動の地域移行に関する発言である。
特に、教育への影響が強く指摘されたのは、大学誘致に関する中牧盛登議員の質問だ。
中牧盛登議員は、県が大学誘致に向けた調査を行うとの報道を紹介し、大町市の考え方を問うた。これに対し、市長の牛越徹氏は、「県の動向を注視し、県外からの大学誘致を進めることは、大町市が若者を引き留めるための一つの手段である」と述べた。
さらに中牧議員は、水分野における取り組みについても質問をした。これは、2020年に策定されたSDGs未来都市計画に関わるもので、「水が生まれる信濃おおまち」を実現するために、地域資源の活用が重要であると強調された。この施策の背景には、観光資源の拡充や地域活性化がある。
また、中学校の部活動については、このままの形での移行が心配される中、指導者や運営体制の整備も求められた。特に、部活動からクラブへ移行する際の指導者問題や年間スケジュールの柔軟性が不安視された。
さらに、子育て環境や農業振興に関する施策も盛り込まれた。市民の保護者からは、入所希望者が急増している保育園の現状を受け、保育士の確保が課題として挙げられた。中でも、地域型の保育支援や子どもたちが集いやすい環境の整備が重要視され、市長もこの議題に賛同した。
議会では中等度・軽度難聴者への支援についても議論され、市内にはニーズが高まっているにもかかわらず、依然として制度的支援が整備されていない現状が浮き彫りとなった。この問題に関しては市民の意見を重視し、補助制度の創設を積極的に検討する方針が示された。
最後に、ゼロカーボン社会に向けた施策として、八坂堆肥センターの活用や地域特性を生かした景観計画の策定についても話題に上った。特に、地域に根差した環境への配慮が今後の施策のキーワードとなり、市長は「地域と協力してより良い未来を目指す」との意気込みを表明した。