令和3年2月25日開催の大町市議会では、市政に対する一般質問が行われた。特に注目されたのは、新型コロナウイルスの影響を受けている市民の生活支援や、地元経済の活性化策についての議論だ。
まず、太田昭司議員は、コロナ禍における「誰一人取り残さない」取組みについて聞いた。その中で、生活相談件数が増加していることや、緊急小口資金の貸付金の状況についても触れ、多様な困難に直面している市民に対し、重層的な支援体制が必要であると強調した。特に、複合的な問題を抱える層に対しては、従来の縦割りの公的支援では不十分であることを指摘した。
次に、神社正幸議員が登壇し、コワーキングスペースの目的や利用状況について説明した。開設から3年が経過し、登録者数は増加傾向にあるが、利用者の中での創業成功事例については、今後の実績として期待される。
さらに、一本木秀章議員がSustainable Development Goals(SDGs)における農林業の貢献について質問し、食品ロスや地産地消に関する取組みが進められていることを報告した。また、地域の農産物を有効に活用するための施策についても議論された。特に、地域の特性を生かしたブランドの確立とともに、林業や森林の持続可能な運営が求められている。
市長は、文化芸術活動を通じた地域活性化の重要性を強調し、アーティスト・イン・レジデンス事業や、その中で生まれる作品が市民に与える影響について触れた。市民参画を促進し、成果を広く周知する必要があることを訴えた。
最後に、神社議員は文化活動への支援策について質問し、市からの補助金が芸術文化の振興を助ける可能性を示唆した。その中で、地域内の多様なアーティストとの連携や交流を通じて、地域文化の発展を進めていくことが求められた。
こうした議論の中で、新型コロナウイルスへの対策、行政の内部統制のあり方、地域創生、さらには市民の芸術文化活動への参加と支援が、今後の大町市における重要なテーマとして浮かび上がった。市は、市民が心身ともに満ち足りた生活を送ることができるよう、様々な施策を講じていく方向性を示している。