令和3年3月の大町市議会定例会で、数多くの議案が審議され、原案通り可決される結果となった。
特に注目を集めたのは、新市まちづくり計画の変更についての議案である。総務産業委員会委員長の高橋正氏が「議案第20号」の審査報告を行った。これには計画延長によって約2億円の合併特例債が活用可能になるとの説明があった。続いて旧環境プラントの解体事業に関する質疑があり、当局はこの資金活用を旧環境プラントの解体や新たな施設整備に充当する意向を示した。委員からは、必要資金についての質問が行われ、「少子高齢化の進行により厳しい財政状況となるが、過疎法による追加的な財源確保を図り、最低限の10億円を確保していきたい」との意見があった。
次に「大町市福祉医療費特別給付金条例」の改正が提案され、社会文教委員会委員長の岡秀子氏が慎重に審査した結果、原案を可決すべきとの結論に至った。議会ではこの改正に対する反対意見もあり、特に「マイナンバーカードによる個人情報の利用が懸念される」といった指摘があった。議員はそれに対し、高齢者の生活を守るための制度の重要性を訴えた。
さらに、令和3年度の一般会計予算の審議も行われ、特に新型コロナウイルス対策に関する施策が中心となった。医療従事者の処遇改善や、福祉サービスの充実が求められており、地域医療の確保が重要なテーマとして浮上している。
議会では新たな過疎法による支援金の利用を期待する声が高まり、医療や福祉、地域振興施策を進める上で、持続可能な地域づくりが強調された。議会の審議を通し、藤本圭作新病院事業管理者が任命されたことから、新体制のもとでの地域医療の発展に期待が寄せられている。
今回の会議では、地域の将来を見据えたさまざまな議案が可決され、新たな挑戦が始まることが改めて確認された。議員たちは、コロナ禍の影響を乗り越え、地域活性化に向けた取り組みを引き続き進めていく意向を示した。特に、地域経済の再建や医療体制の充実を図るための具体策が求められた。