令和5年8月30日に開催された大町市議会の定例会では、令和4年度の歳入歳出決算が審議され、その結果が注目されている。議案第55号から第63号までの9つの議案について質疑が行われた。
注目されたのは、議案第55号に対する質疑であり、議員らが市の財政状況を確認した。大和幸久議員は「駐車場の使用料についての計上がないのはコロナの影響か」と問いかけた。これに対して、民生部長の川上晴夫氏は、「昨年度はコロナ禍により利用者が少なく、料金徴収を行わなかった」と答えた。コロナ禍は市の収入に大きく影響している。
さらに、全ての議案に共通する課題として、人口減少に伴う収益の減少が指摘された。上下水道課長の松宗市雄氏は「水道事業では人口減少を見越した施設の統合を考えている」と述べ、経営効率化が進められていることを強調した。また、公営水道の利用促進に向けた取り組みも行われていることが報告された。
議案が審議される中で、交流人口の増加を目指す施策も提案されたが、議員らからは「新たな取組が必要」との意見も出た。市長の牛越徹氏は「観光資源を生かし、地域の魅力を最大限に引き出す施策を進める」と述べ、積極的な観光振興策を打ち出していた。
その後、議案第56号の国民健康保険特別会計、議案第57号の後期高齢者医療特別会計に関する質疑が行われ、各議案は決算審査特別委員会に付託されることとなった。審議内容は多岐にわたり、地域が抱える課題や対応策が活発に討論された。