令和3年3月、大町市議会において、さまざまなテーマが議論された。その中でも特に目を引くのは、新型コロナウイルス感染症対策や水道ビジョン、生活保護に関する発言であった。
まず、新型コロナウイルス感染症対策について、平林英市議員は、医療従事者へのワクチン接種を通じた安全確保の重要性を強調した。ワクチン接種に対する不安が市民の中で存在していることを踏まえ、情報提供の徹底と個人の自由の尊重が必要であると述べた。これに対し、牛越徹市長は、ワクチン接種は個人の選択であり、早期接種の体制を整える意向を確認した。
加えて、生活保護に関する議論も続いた。平林議員は、扶養照会の手続きが障害となり、申請がためらわれている実態を指摘した。生活保護は市民の権利であるため、過剰な手続きが障壁とならないような改善が求められている。この点において、民生部長は申請者の人権に配慮しつつ、必要な手続きが実施されていると述べた。
また、水道ビジョンについても注目が集まった。議員からは、居谷里水源の安全性に関する質問が相次いだ。大和幸久議員は、居谷里水源での大腸菌およびウェルシュ菌の検出を問題視し、急速に水道事業の見直しが必要であると強調した。これに対し、田中一幸建設水道部長は、居谷里水源は重要な水源であり、現時点でも水質管理を徹底していると回答したが、議論は続いた。
さらに、新過疎法に関する話題も取り上げられ、市全域の過疎地域認定の影響について議論された。牛越市長は、過疎法により新たな地方財政措置を受けられることを期待していると述べたが、これが今後の地域振興にどのように影響を及ぼすかは疑問の声もある。特に、これまで過疎地域支援が行われていた八坂、美麻地域の住民に対する影響も考慮すべきである。
大町市は、新型コロナ禍により深刻な影響を受けている市民や事業者に向けた支援策を一層強化する必要が求められている。その中で、地域経済や市民生活の回復を図るための戦略的な取り組みが期待され、今後の進展に注目が集まっている。