令和5年度大町市議会の3月定例会が開催され、複数の予算案が審議されました。
この日、特に注目されたのは、国民健康保険特別会計予算や後期高齢者医療特別会計予算です。民生部長の曽根原耕平氏は、「被保険者数が減少傾向にあり、財政運営は厳しい状況」と説明し、国民健康保険事業の重要性を強調しました。歳入不足を解消するため、500万円を財政調整基金から繰り入れる計画を示し、事業勘定の歳入歳出はそれぞれ29億7527万1000円と見積もっています。
また、後期高齢者医療特別会計予算についての議論もありました。曽根原氏は、特別徴収保険料を2億2546万6000円に設定し、全体の収支見通しを説明しました。この議案もまた、社会文教委員会に付託され、今後の審議が期待されます。
一方、建設水道部長の古平隆一氏が報告した公営簡易水道事業では、老朽化の問題が浮上し、経営の厳しさが指摘されました。歳入が2億7110万1000円にのぼり、前年比で18.2%の増加が見込まれています。このことは、都市化により水の使用量が減少する中での試行錯誤を示しています。
その他には、温泉引湯事業の予算案も議題に上がりました。同じく古平氏が提案を行い、経営基盤の強化を目指す方針が示されました。観光振興への寄与も求められている中、地域のライフラインとしての役割を果たす重要性が訴えられました。
続いて、病院事業会計予算についても意見が交わされました。病院総務課長の北澤好泰氏は、経営健全化を進める中で、収入の見込みが増加する一方で、支出も増加する見込みだと説明し、限りある資源の分配に苦労している現状を示しています。今後、外部業者への業務委託が再開される方針に対して、過去の教訓がどのように生かされるのか注目されます。
最後に、会議では人権擁護委員候補者の推薦が合意され、財政援助団体等の監査結果報告が確認されるなど、さまざまな議案が無事に審議を終えました。安定した行政運営のため、今後の議会においても、細心の注意が求められるでしょう。