令和元年6月、小諸市議会の定例会での会議が行われた。その中で、交通安全対策やがん対策、行政経営の推進に関する議題が大きく取り上げられ、市民生活にかかわる重要な事項が討議された。
特に目を引いたのは、交通安全対策の強化についての質疑であった。土屋利江議員は、近年発生した交通事故を受けて、「市内交差点の交通安全に関する緊急点検の実施」を求めた。市長の小泉俊博氏は、「現在、特なく実施しておりませんが、警察と協力の上、交通安全対策については積極的に進めていく」と述べた。特に、通学路の危険箇所を総点検し、学校と協力して交通安全教育を徹底する重要性も強調された。
次に、がん対策の質疑において、土屋議員は骨髄バンクへのドナー登録の促進や、がんに対する啓発活動の重要性を訴えた。この日、健康福祉部長の冨岡昭吾氏は、長野県の取り組みとして、ドナー登録希望者への説明会や啓発活動を行っていると説明した。また、小諸市でも不妊治療費助成の取り組みが進められていることが確認され、市民の健康を守る姿勢を示した。
さらに、行政経営の推進に関しては、小林一彦議員が「戦略的で効率的な行政経営の推進」に関する実行計画について質疑を行い、定員管理と職員配置の適正化の重要性が強調された。市長は、「地域住民の皆様と連携した効率的なサービス提供の実現を目指している」とし、アウトソーシングの検討も行っていることを明らかにした。特に、公共サービスの質を保持しつつ、コスト削減も視野に入れた行政運営が求められている。
そして、まちづくりに関する議論では、丸山正昭議員がコンパクトシティ構想について具体的な提案を行った。市長は、「市民が主体となったまちづくりを進めており、地域の自主的な活動の支援が重要」と強調し、その実現に向けて市としてのサポートを検討する方針を示した。
最後に、空き家問題への対策が話題に上った。楚山伸二議員は、特定空き家への対応状況に関して、空き家の増加が進む現状を受けて、「空き家の管理や利活用のための施策を強化すべき」と指摘した。市は、空き家バンクの運営を通じて利活用を進めており、今後も市民との連携を図りながら対策を進める意向を示している。
このように小諸市議会では、交通安全や健康、行政運営など、幅広い課題に対して具体的な質疑が交わされ、今後の施策へとつながる意見交換が行われた。市民生活を守るため、様々な方策が検討され続けていることが分かる周到な議論であった。