令和3年第5回(5月)綾町議会臨時会が6月25日に開催された。この会議では、国民健康保険税条例の改正に関する議案が審議された。
議案第32号は、綾町国民健康保険税条例の一部を改正する内容だ。提案理由について町長の籾田学氏は、税率を改正する必要があると強調した。令和2年度の医療費が4%増加したことにより、保険税率の見直しが必要な状況にあるという。さらに、コロナ禍で受診控えが影響した結果、県平均を上回る医療費の増加が報告された。これにより、国民健康保険税を引き下げる一方で、基金から1,000万円を取り崩して増額抑制の資金に充てる方針を示した。
次に議案第33号、綾町国民健康保険特別会計補正予算(第1号)が議題に上がり、籾田町長が補正の内容を説明した。この補正予算は、被保険者の保険税負担軽減のために基金から繰入れを行うものである。議会での質疑では、職業としての健康保険加入者の負担を軽減する施策が求められる一方、長期的な安定運営を考慮した上での慎重な議論が必要であることが指摘された。
議員からは、国保税の負担軽減をさらに進めるべきとの意見が出された。特に橋本由里氏は、今のコロナ禍の状況を鑑みて、より分かりやすい負担軽減策が必要だと発言した。また、国保税の高額化の背景には国の責任があるとの指摘もあった。
最終的には、議案第32号および第33号はそれぞれ賛成多数で可決された。特に、1世帯当たりの税額が前年比で減少した点は評価されているが、一人当たりの課税額の増加に懸念の声も上がっている。今回の議論を通じ、議会は財源の確保と医療費の抑制に向けた施策を今後も続ける意向を示している。