令和元年第5回12月定例会において、尾道市の消費税増税に関する対応や地域医療構想についての一般質問が行われた。この公聴会では、市民の生活への影響を考慮した制度運用が求められる中、地域医療や交通網の再構築が話題となった。
まず、消費税の軽減税率やキャッシュレス決済に関して、尾道市は適切な情報提供を行う方針を示した。市民への周知を図るため、広報紙や説明会を通じて制度の理解を促進している。福祉や医療などの面で、特に低所得者や高齢者に配慮した支援政策の必要性が強調された。
岡野斉也議員からは、生理用品やおむつに関する税の軽減に対する見解が問われ、特に高齢者や子供向けのおむつ支援について説明があった。福祉保健部長の檀上由造氏によると、介護認定を受けた高齢者にはおむつ券が支給されているが、今後はより広範な支援策が求められる。
次に、地域医療構想について議論が行われた。厚生労働省から発表された再編・統合の必要な病院の中で、因島総合病院が名を連ねたことについて、福祉保健部長の檀上氏は地域医療の実情を踏まえた形で医療サービスを守る必要があると述べた。このことは市民に不安を呼び起こしているが、地域の声を聞きながら話し合うことが重要である。
公共交通網については、高齢化を背景とした地域でのデマンド型交通の導入が評価され、今後のニーズ拡大に向けた施策が必要とされている。また、グリーンスローモビリティの導入が進められ、交通アクセスの拡充が期待されている。細島地区の住民に対しては、フェリー代軽減などの施策が求められ、より詳細な支援策の検討が必要である。
企業版ふるさと納税やネーミングライツ制度の実施についても話題に上がり、これらの制度が新たな財源構造の選択肢になる可能性があると考えられている。実際に、他市ではこれらを上手く活用し、地域活性化に成功している例も紹介され、市としても前向きに取り組む意義が強調された。
これら一連の質疑応答を通じて、議会は市民生活の質向上や地域支援に向けた新たな施策展開を求めており、特に高齢者と子供を対象とした支援が今後の課題として浮かび上がった。議会側の反応は、政策変化への期待と、地域と市が協力して持続可能な形で進めていくことの重要性を認識していたと言える。