令和6年2月28日、三原市議会は「(仮称)水源の保全に関する条例」についての議論を行った。
岡田吉弘市長は、出席議員に挨拶を行い、条例策定の目的と方針について説明した。市長は「水源保全に関する条例については、今年度中に方向性を示す」と強調した。
市の生活環境部長が、条例の背景として全国での水道水源保全条例の数や内容を説明した。特に、産廃処分場の設置による土壌・水源への影響を懸念している住民からの意見が多いという点を強調した。全国で126件の条例が存在し、その中には特定の規制型も含まれているが、法律との整合性についての考慮が必要だという。
条例の型として、立地規制型は困難であるとの見解が示され、岡田市長は「法令に違反しない範囲でしか条例を制定できない」と強調した。これは地方公共団体の権限に基づくものであり、法令に抵触する可能性のある制約はしないとしている。
これに対し、寺田元子議員は「立地規制型の条例が必要である」と異議を唱えた。その中で、具体的な廃棄物処理施設を対象に加えるべきだという意見を述べ、今後の対応を求めた。市の生活環境部長は、産業廃棄物処理施設を対象とする方向性があることを確認したが、法令との整合性が基本であると繰り返した。
議論はさらに続き、角広寛議員も立地規制型の必要性を訴えた。「環境を保全するためには、今こそ厳しい規制が求められる。市民の理解と協力を得るために、条例を早急に整備すべき」と意見した。これに対し、生活環境部長は行政指導の強化や法律に基づく手続きを強調しつつ、市民の意見を踏まえた条例にしていくという方針を示した。
議会においては、条例案への賛否が分かれたが、市長は「監視体制や周知期間の設定を大切にしていく」とまとめ、スケジュールを示した。最終的には、令和7年4月の施行を目指す意向を示した。
条例策定までの過程は時間がかかり、議員からはもっと迅速な対応を求める声も上がったが、岡田市長は「最大限の努力で進めていく」との姿勢を見せている。今後の議論の展開が注目される。